日経225オプション 用語集
IV・グリークス・SPAN証拠金をやさしく
オプションの解説記事や証券会社の画面には、IV・デルタ・ガンマといった独特の用語が並びます。この用語集では、それぞれが「何を表す数字なのか」を、正確さを崩さない範囲でできるだけ平易に整理します。まず全体像をつかみ、あとから当ツールで実際の数字を眺めると理解が定着します。
価格・状態に関する用語
プレミアム
オプション(権利)の価格そのもの。買い手が支払い、売り手が受け取ります。指数ポイント(pt)で表示され、日経225オプションでは倍率(通常 1,000円 / 1pt)を掛けて金額になります。
本質的価値/時間価値
プレミアムは本質的価値(いま行使したら得られる金額)と時間価値(満期までの期待の値段)に分かれます。満期が近づくと時間価値は減っていき、満期時点ではゼロになります(=プレミアムは本質的価値だけになる)。
ITM/ATM/OTM
| 用語 | 意味 | 本質的価値 |
|---|---|---|
| ITM(イン・ザ・マネー) | 行使すると利益が出る状態 | あり |
| ATM(アット・ザ・マネー) | 権利行使価格 ≒ 現在の指数 | ほぼゼロ |
| OTM(アウト・オブ・ザ・マネー) | 行使しても利益にならない状態 | なし(時間価値のみ) |
IV(インプライド・ボラティリティ/予想変動率)
市場のプレミアムから逆算した「将来の値動きの大きさの予想」を年率で表した数字です。日経225では、市場全体のIV水準の目安として日経平均VIという指数が公表されており、当ツールの入力欄はこれを目安にしています。
- IVが高い=市場が大きな変動を織り込んでいる=プレミアムは高くなりやすい。
- IVが低い=市場が落ち着きを織り込んでいる=プレミアムは安くなりやすい。
- IVはあくまで「予想」であり、実際の変動(ヒストリカル・ボラティリティ)とは一致しません。
グリークス(感応度の指標)
グリークスは、価格や時間・IVが変わったときにプレミアムがどれだけ動くかを表す「感応度」の指標です。ギリシャ文字で呼ばれます。
デルタ(Delta)
原資産(日経平均)が1pt動いたときに、プレミアムがどれだけ動くかを表します。コールは0〜1、プットは−1〜0の範囲の値をとります。
ガンマ(Gamma)
デルタ自体が、原資産の動きに対してどれだけ変化するかを表します。ATM付近・満期直前で大きくなりやすく、「価格が動くとデルタが急に変わる」度合いを示します。ガンマが大きいほど、ポジションの性格が短時間で変わりやすくなります。
セータ(Theta/時間価値の減少)
時間が1日経過したときに、プレミアムがどれだけ減るかを表します。オプションの買い手にとってセータは基本的にマイナス(持っているだけで時間価値が目減り)、売り手にとってはプラス方向に働きます。満期が近いほど減り方が速くなる傾向があります。
ベガ(Vega)
IVが1%変化したときに、プレミアムがどれだけ動くかを表します。満期までの期間が長いほど、またATM付近ほどベガは大きくなりやすく、「相場が荒れてIVが上がるとプレミアムが膨らむ」関係を数値化したものです。
清算・満期に関する用語
SQ(特別清算指数)
満期時にオプションを清算するための基準値。日経225オプションの満期は原則、毎月第2金曜日です。詳しくはSQと満期の実務で解説しています。
限月(げんげつ)
満期の属する月のこと。「7月限(ぎり)」のように呼びます。複数の限月が同時に取引されており、期近(きぢか=近い満期)ほど時間価値の減りが速い傾向があります。
証拠金に関する用語
SPAN証拠金
オプションの売りなど、損失が大きくなりうるポジションを建てるときに預ける担保が証拠金です。日経225オプションでは、日本取引所グループのSPANという方式で必要額が計算されます。相場の変動シナリオを複数想定し、ポートフォリオ全体で最も不利なケースの想定損失をもとに算出される仕組みです。